ほんとうのリユースとは、単にものを大切に、ときには我慢しながら使い続けることではありません。時代の空気にあった新しい商品価値を再生しながらつきあっていくことです。そこには生活のしやすさがあり、趣味があり、好みがある。そしてより長く使い続けるために次の世代への配慮があります。
T様邸。古い井戸のモニュメントにはひいおじいさんの思い出があり、少し虫食い跡のある梁にはおじいさんの思い出があり、柱の傷にはお父さんの思い出があります。何世代も生きた家には、なによりも家族を見守る温かさがあります。この家で新しい世代の思い出作りも始まります。

照明と珪藻土の塗り壁が古民家のイメージにある暗さを払拭。開放感であふれています。

リビングには、ログハウスに建替え希望だったご主人の思いを入れて、少しログハウスの雰囲気を取り入れました。

オープンハウスに来てくださった古民家にお住まいのお客様とお施主様との間で会話が弾んでいました。
「以前のお風呂は全然暖まらなくて」
「台所は土間に板を貼ったもので冷たくて、寒くて」
「どの部屋も暗くて気が滅入ってきますよね」
ちょうど、トトロに出てくるメイちゃんの家。

でも築50年も、100年も経った農家や民家ですから、何度か改装されています。だからたとえば、お風呂の入口だけがサッシだったり、子供部屋として改装された中2階があったり・・・。それもまた一緒。

古民家再生。
今、同じ悩みを持つ方々のひとつの交流地点になれればいいな、と思っています。